高血圧薬

高血圧の薬

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血圧が非常に高く生活習慣の改善だけでは血圧が正常値にならない場合、合併症のある場合などでは、運動や食事療法と平行して薬物による治療が行われることになります。

高血圧の際に処方される薬は降圧剤と呼ばれる血圧を下げる効果のある薬で、高血圧の原因自体を根本的に治療する薬ではありません。

従って、薬を飲んでいる間は血圧が下がっていますが、薬を飲むのをやめるとまた高血圧に戻ってしまいます。そのため、勝手に薬を止めることはできません。降圧剤を処方されたら必ず医師の指示に従い、決められた期間きちんと飲むことが重要です。

以下、高血圧の際に処方される代表的な薬をご紹介します。

  • 利尿薬
    利尿薬とは血液中の不純物や余分な水分を尿として排出し、その効果によって血圧を下げる薬です。利尿薬は高血圧の治療薬として古くから用いられ、特に合併症などのない方には広く利用されています。他の薬と同時に服用されることも多い薬でもあります。ただし、利尿薬は通風のある方には用いることができません。
  • カルシウム拮抗薬
    カルシウム拮抗薬は血管の筋肉にカルシウムが取り込まれることを防ぎ、血管を拡張させることによって血圧を下げる薬です。カルシウム拮抗薬は降圧効果が高いのにもかかわらず、顔のほてりや脚のむくみなど以外にはこれといった副作用がみられないため、非常によく用いられている薬です。特に糖尿病や動脈硬化、狭心症、脳出血といった合併症のある方にはたいへん適した薬でもあります。
  • アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)
    血管を収縮させて血圧を上昇させる「アンジオテンシンII」を抑制することによって血圧を下げる薬です。アンギオテンシン変換酵素阻害薬には腎臓や心臓を保護する働きもあるため、腎臓・心臓に起こる合併症を予防する効果もあります。副作用として喉に違和感が現れることがあります。
  • アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
    血圧を上昇させる「アンジオテンシンII」の作用を抑えることによって血圧を下げる薬です。心臓と、特に腎臓を保護する作用に優れています。
  • 交感神経遮断薬
    交感神経遮断薬にはメタボリックシンドロームをともなう高血圧に使用されることの多いα受容体遮断薬(αブロッカー)と、心臓に関する合併症を抱える場合に使用されることの多いβ受容体遮断薬(βブロッカー)とがあります。β受容体遮断薬は比較的若年層の高血圧に使用される薬でもあります。
  • α2受容体刺激薬
    妊娠中には使用することのできない薬が多い中、妊娠高血圧症候群に対して使われることの多い薬で、アドレナリンの放出を抑制することで血圧の上昇を抑えます。

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