妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠によって高血圧や尿タンパクの症状が見られるようになったものをいいます。

妊娠中は普段よりも血圧が少し高めになるというのが一般的ですが、妊娠中の場合にも収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上のいずれかを満たすものを高血圧と見なしています。

以前はこれらの症状にむくみ(浮腫)を加えた3つの症状について、「妊娠中毒症」という名称で呼んでいました。

2005年以降、産婦人科学会によって妊娠中毒症からむくみを抜いた2つの症状を「妊娠高血圧症候群」と呼ぶように改められていますが、むくみも妊娠中にはたいへんよく見られる症状であることから、むくみも考慮に入れて妊娠高血圧症候群としている専門家も少なくありません。

妊娠高血圧症候群の症状は妊婦さんの約1割に発症します。

妊娠32週未満に発症するケースを早発型、32週以後に発症するケースを遅発型と呼び、多くの場合では妊娠後期になってから発症しています。

妊娠高血圧症候群が重症になると、母子ともに危険をともない、早産に繋がる可能性があります。また出産後にも高血圧が続くなどの後遺症を残してしまうこともあります。

妊娠高血圧症候群が起こる原因は今のところはっきりとは分かっていません。母体が妊娠という変化についていけなくなるために発症すると考えられていますが、自身や家族に高血圧や腎臓病、糖尿病の既往歴がある場合や高齢出産・若年出産、多胎妊娠など母体に負担のかかりやすい場合に妊娠高血圧症候群を発症するケースが多いようです。

なお、妊娠中毒症を妊娠後期に起こるつわりの一種と考えられていたこともありましたが、現在では妊娠高血圧症候群とつわりとはまったく別のものであることが分かっています。

妊娠高血圧症候群は絶対安静が原則です。同時に食事療法による治療が行われます。特に血圧が高い場合には妊娠中に使える薬を用い、血圧を下げる治療が行われることになります。

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